ベルタは負けず嫌いで自身も武芸に秀でている事から弱者を見下す傾向にあり、周囲を恐れさせている。
『勝った者を伴侶に迎える』と言い渡してはいるがいまだ現れず、名乗りを上げる者も滅多にいないため、
特別結婚したいわけではないが『つまらない』とも思っている。

聖王国とは【封印戦争】当時より女性上位の帝国と国柄が似ている事から親交があり、
同盟が結ばれていたが、アシュレイの復活・支配の報を受けて帝国は一方的に同盟を破棄し、
西方諸国連合を中心とした討伐軍を派遣している。

常に優美な笑みを湛えているが『氷のような女』と評されており、
女帝に逆らう者には些細な事でも一切の慈悲も容赦も無い。
ただし絶対的な忠臣かというと実はそうでもない。

弱者を一方的に痛めつけるのを好み、何事も全力を持って当たるのがポリシーであり、
女帝の下ではそれが叶うが故の忠誠心でもある。
武芸にも秀でた自信家ではあるものの、プライドの高い人物でもあり、
どうあっても逃げ隠れ不可能となれば意外にも無様な姿を晒すより死を選ぶ気概も持っている。

また身体能力も高く、一時的に筋力を増大させて素手で剣を叩き折るほどの膂力を見せる事も可能。
ただし研究はあくまで一定の成果までしか上げておらず、
無理をすれば肉体が破損してしまったり精神が崩壊する危険性を秘めている。

彼女自身には名前は無く、【306番】と呼ばれている。
元々ハーフエルフとして人間にもエルフにも受け入れられず幼少期に捨てられ、
すべてを諦めたという過去があり、本来の名や親の顔もすでに忘れてしまっている。

決して育成環境が良かったわけではないが、帝国には拾われた恩を感じているため忠誠を誓っている。
後にアシュレイから【シェリー】という名を与えられる。

斧や鈍器を好む一般的なドワーフと違って剣術に拘っており、
特に武者修行で立ち寄った東の国の剣術と片刃剣を使いこなす。
戦闘となると好戦的ではあるが、普段は物腰が柔らかく、
食に貪欲な○○っぽさと面倒見の良い母性を兼ね備えている。

見た目は歳若い少女にしか見えないが、ドワーフ族もエルフほどではないものの長命であり、すでに50を超えている。
それでも同種族の中ではやはり若者に入る。
一見ふくよかでのほほんとした風体ながら元々タフなドワーフの中でも群を抜く体力で、
一昼夜戦い続けても平然と剣を振るい続けた戦闘狂として敵味方共に恐れられている。
本人はいくら鍛えても筋肉質な見た目にならず、どこかぽっちゃりした雰囲気のままなのを気にしている。

かつてアシュレイから世界を救ったという聖王国の民の祖先、【フィレーユ聖戦女隊】の子孫ではないかと噂する者も多い。
戦の際には【マナルディ】の紋章を描いた戦旗を背負って自ら先陣を切り、戦場を駆け巡って仲間を激励しながら剣を振るう。
その高潔な姿は敵すらも魅了すると言われるほど。

神に身を捧げるため純潔を貫き、穢れ無き魂で人々を救い続け、時には敵であっても慈悲を見せる。
しかし信仰心が強過ぎる面もあり、【マナルディ】の名を汚すような相手には一切の容赦が無い。

『自分はただの農民の家の出で、ある日聞いた神の声に従い、人々を救いたいという想いの下に行動しているだけ』と語り、
必要以上に持ち上げられる事にいささか困惑しているものの、
それもまた旗頭として義勇兵を統率するのに必要な事として受け入れている。

しかし自身の抱える欠陥はいまだ克服されたわけではなく、本来の目的のためいまだ研究を続けている。
基本的には敵を退ける事に徹し、必要な研究材料を手に入れるための侵略以外は考えていないが、
千年前の【封印戦争】において世界を相手に戦い封印された経験から、
危険な相手には先手を打つ意識を持っている。

【ガレス】帝国が独自に生み出した新種の亜人にその身を狙われ、
返り討ちにしつつその身柄を確保したアシュレイは、【オニ】と呼ばれるその亜人の研究に興味を持ち、
密偵として使っている蛮族のエレメラとエルフのジュディスのみを伴い、
聖王国は他の女達に任せて【ガレス】帝国への潜入を試みる。